新明町の家
南面、外壁は杉の赤身下見板張り、屋根は瓦葺き。
濡れ縁の木製テラスと庇。
左手の格子窓は浴室の窓
奥様はすでに歩くことに不自由を覚えていたのでその対策と既存の住宅の建具を活用すること。
依頼者の声を参照してください。
神明町の家は、高齢者の終の住処として計画された、住まい手は「木で組んだ家」を希望し、穏やかな暮らしとこれまでの暮らしの記憶の継承(古い建具の活用)を望んでいた。
だから、貫+土壁と木の特性を活かした渡り腮(アゴ)構法で木を組み、パッシブな温熱環境を追求した「時ノ寿木組みの家」という名の土壁・木組みの家を提案した。
住まいは、西側の道路からアプローチして南東に開いたL型に配置した、奥様はすでに歩くことに不自由を覚えていたので、段差解消の物理的なバリアフリーと共に、居間と寝室を南東に開いた庭に面しながら、直接浴室と便所にアプローチできるプランを提案、その浴室と脱衣室は、日だまりの暖かさが実感できて庭を眺められる南側にある。
パッシブデザインは、通風と日射遮蔽を特に重視、ここ神明町の家でも、南北方向の風の通りを意識して、居間の吹き抜けと吹き抜け上部に通風を促す高窓を計画、居間の南面には濡れ縁のテラスと庇を深く出して夏の日射遮蔽を意識。
寝室の植栽で囲まれた地窓は、外が冷気のたまり場(植栽と水やり)となり、夏はその冷気が室内に侵入して気持ちがいいようだ。
NPO法人時ノ寿の森クラブの会員として以前から付き合いがありました。彼の進めている「木組みの家」構想に共感し、我が家の新築をお願いしました。ゼネコンに一括発注するのではなく、彼を中心にしてそれぞれの専門会社に直接発注する方法で、木と土を使って私たち夫婦の老後を楽しむ理想の家が出来上がりました。築後3年たった今でも大小の修理等、細かくフォローして貰って、大変感謝しております。
くつろぎの間と濡れ縁を見る。
床は一寸厚の杉板、壁は漆喰(土壁下地)
玄関とキッチンを見る。
建具は腰付額入り障子戸の引き戸を再使用
くつろぎの間、建具は腰付額入り障子戸を再使用
寝室、地窓と正面は洗面脱衣と浴室出入口
古建具は板戸と腰付額入り障子戸の引き違い
玄関アプローチ